#Free Agnes

  • 2020.08.12 Wednesday
  • 19:15

JUGEMテーマ:育児

 

1997年8月。

イギリスから中国に返還されたばかりの香港に私はいました。

イギリスではダイアナ元妃が非業の死を遂げたあの夏です。

 

当時美術大学の最終学年だった私は、卒業制作のテーマを返還される香港に定め、かの地を歩きながら、当時の香港のあふれるパワーを感じていました。

 

世界的不況によって、香港の100万ドルの夜景は50万ドル位になったとのジョークもありましたが、ムーブメントが起こる所では、アートシーンの活性化やカルチャーが興るタイミングでもあります。

 

多感な年頃であった私。

ウォン・カーワァイの映像世界に触れ、クリストファー・ドイルの色彩に魅了され、頭の中にはフェイ・ウォンの「夢中人」が流れ、九龍城砦(1994年に取り壊され、残念ながら見ることは叶わなかったが、たくさんの書籍が発行された)のカオスにしびれたりしておりました。

 

香港、深圳を歩き回り、香港に戻って上海まで鉄道の旅。

 

卒業制作は香港と深圳の国境にあるイミグレーションの設計をしました。

同じ国であるにも関わらず、入国審査のある不思議。

 

国境は地図上の点線だけどはなく、実際に川によって区切られています。

 

建物の意匠を橋のデザインにし、入国審査場のみならず、鉄道の駅、そして美術館を併設させました。

 

当時起きていた香港での自由な表現活動が、橋を渡って中国全土へ広がりを見せるように願いを込めて。

 

「The Bridge for one China」と名付けたタイトルの後のイントロダクションには「香港が大国に嚙みつくのか?大国が香港を飲み込むのか?」と、記述した覚えがあります。

 

そして、今一つの答えが出されました。

香港が必死に大国に噛みつき、そして飲み込まれていきます。

 

8月10日

民主の女神と称された周庭(アグネス・チョウ)さんの逮捕のニュース。

私は何もできずにネットニュースで不安を募らせていました。

 

そして12日。

釈放の一報。

 

世界中で中国当局に対する批判の声が上がり、流石の共産党政権もその声を無視することは出来なかったのでしょう。

 

#Free Agnes の旗印の下。

SNS上で上がったシュプレヒコール。

 

私も遅ればせながら、影響力の少ないブログではありますが思いの丈を綴ります。

 

アメリカと中国が世界の覇権争いを繰り広げて久しいですが「まあ、中国が勝つのだろう…」と諦観していた私。

 

アメリカの体たらくぶりには頭を抱えますが、自由の魂を持たない中国のような恐ろしい国が覇権を握るようなことがあってはならないと、今度の事件で気持ちが改まりました。

 

国益とのバランスを考えることは大切だとは思いますが、大国の顔色ばかり窺って、態度を決めかねている政府にも不満を感じます。

 

日本を愛し、言葉を理解し、日本語で救済を求めてきたわずか23歳の女性の声をどうか受け取って欲しい。

そう願わずにはいられません。

 

 

今日のブログは政治色が強く「子育てブログ」の範疇を逸脱してしまいました。

「Masshiroの読書の記録」だけでも…

 

 

森川成美著 「アサギをよぶ声」3部作

 

これは、我が家の蔵書ではありませんが、Mが図書館で何度も何度も借りてきて繰り返し読んだ物語。

あまりに借りるので、蔵書に加えてもよいかもしれません。

 

時代背景や場所は不明ですが、日本らしき場所。

稲作の表現がなく、狩猟採集が生活の手段だったとので、日本で言えば、稲作の伝わる縄文後期以前という時代背景でしょうか。

(フィクション、しかもわずかにファンタジーの様相を呈しているので細かい設定は限定はしない方がベターですが、この場の説明として)

 

人間が集落を形作り、社会を構築するなかで顕在化する人間の性(さが)。

 

アサギはその生い立ちから集落という社会の中の底辺で暮らす少女。

そのアサギが不思議な力に支えられながら成長し、やがて集落を救う大きな変革をもたらす存在になっていくお話です。

 

そのストーリーだけでワクワクドキドキさせてくれますが、このお話を辿ることで、人間社会の仕組みを勉強することができます。

 

アサギの暮らす集落は云わば「社会主義」

「共に産み出す」共産思想の人間社会です。

 

一見理想とされる「平等」

しかし、アサギが底辺にいるように、人間が平等に生きることの矛盾を内包しています。

 

他方、自由貿易を行う「小舟の女」や「資本主義」の発露を見出し、力をつけて来る他の集落。

(ここではまだ「民主主義」とは程遠い)

 

そんな人間社会の「ひずみ」が、物語の古代の世界にも存在し、物語の大きな潮流を作っていきます。

 

現在中国で起きている現実を横目に見ながら「共産主義の限界」を知ることができます。

 

高学年くらいの子供たちにはストーリーの楽しみだけでなく、そんな社会構造を知るきっかけにもなると思います。

 

スカイエマさんのエッジの効いた挿絵も秀逸な作品です。

 

 

 

 

 

 

 

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